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ゲーミングPCを長く使っていると、「最近ファンがうるさい」「ゲーム中の温度が上がってきた」と感じることがあります。その原因のひとつとして挙げられるのが、CPUとクーラーの間に塗られているグリス(熱伝導グリス)の劣化です。とはいえ、グリスは普段見えない部分にあるため、役割や交換の必要性がイメージしづらいパーツでもあります。
この記事では、ゲーミングPCのグリスとは何か、どんなときに塗り替えを検討するのか、そして選ぶときのポイントを初心者向けに整理しました。あわせて、購入時点でグリスが塗布済みになっているCPUクーラーも紹介します。電源まわりの基礎は親ページゲーミングPCの電源とは?必要容量の計算と選び方を解説でも解説しているので、構成全体を見直したい方は参考にしてください。
📖 目次(タップで開閉)
ゲーミングPCのグリス(熱伝導グリス)とは
グリスは、CPUとCPUクーラーの接地面のすき間を埋めて熱を伝わりやすくするための素材です。「熱伝導グリス」「サーマルグリス」「サーマルペースト」などとも呼ばれます。CPUの表面とクーラーの底面は一見平らに見えても、ミクロの視点では細かな凹凸があり、そのまま密着させると空気の層が残ってしまいます。
空気は熱を伝えにくいため、このすき間が残ったままだとCPUの熱がクーラーへうまく逃げません。そこですき間に入り込んで熱の通り道をつくるのがグリスの役割です。ゲーミングPCはゲーム中にCPUへ高い負荷がかかり発熱しやすいため、グリスが正しく機能していることは安定動作の前提になります。
なお、市販のCPUクーラーの多くは購入時点でグリスが塗布済み、または別添されていることが一般的とされています。そのため、PCを組んだばかりの段階で別途グリスを用意しなくても済むケースは多くあります。グリス単体を意識するのは、主に「数年使った後の塗り替え」や「クーラーを付け外しした後」の場面です。
グリスが劣化するとどうなる?温度上昇のサイン
グリスは時間の経過とともに少しずつ乾燥・硬化していくとされています。塗りたての頃はペースト状でしっかりすき間を埋めますが、年数が経つと水分や油分が抜けてパサつき、熱を伝える性能が落ちていく傾向があります。これが「以前より温度が高い」と感じる一因になることがあります。
とくにゲーミングPCは高負荷の時間が長く、熱のサイクルを多く受けるため、一般的な事務用途のPCより劣化を意識しやすい立場にあります。次のようなサインが見られたら、グリスの状態を含めて冷却まわりを点検する目安と考えられます。
つまり、温度が高い=即グリス劣化と決めつけないことが大切です。ホコリ清掃やファン点検でも改善することは多く、グリスの塗り替えはそれらを確認したうえでの選択肢のひとつと捉えるとよいでしょう。
グリスを塗り替える時期の目安
塗り替えの時期に明確な決まりはありませんが、一般的には数年に一度を一つの目安とする考え方が広く紹介されています。使い方や環境によって差が大きいため、年数だけで判断せず「温度の変化」とあわせて見るのが現実的です。
1まずは現状の温度を把握する
モニタリングソフトでアイドル時とゲーム中のCPU温度を確認し、購入当初と比べてどの程度上がっているかを把握します。
2清掃・エアフローを先に見直す
ケース内のホコリ除去やファンの動作確認、吸排気の向きなど、グリス以外の要因を先に潰します。
3改善しなければグリス塗り替えを検討
清掃しても温度が下がらない、塗ってから年数が経っている場合に、グリスの塗り替えを候補に入れます。
4自信がなければ無理をしない
クーラーの着脱はCPUやマザーボードに触れる作業です。不安があれば購入店やメーカーへの相談も選択肢です。
とくにBTO(メーカー完成品)のゲーミングPCの場合、保証期間内に自分で分解するとサポートの対象外になる場合があるとされています。塗り替えに踏み切る前に、保証条件を確認しておくと安心です。
グリスを選ぶときのポイント
グリス単体を購入して塗り替える場合、種類による違いを押さえておくと選びやすくなります。ゲーミング用途では扱いやすさと冷却性能のバランスを意識するとよいでしょう。
| タイプ | 特徴の傾向 | 向いている人 |
|---|---|---|
| シリコン系(一般的) | 扱いやすく入手しやすい定番タイプ | 初めて塗り替える人 |
| 高性能シリコン系 | 熱伝導性を高めたタイプとされる | 少しでも温度を抑えたい人 |
| 液体金属系 | 高い熱伝導をうたうが導電性があり扱いが難しいとされる | 上級者向け |
初めての塗り替えなら、導電性がなく扱いやすい一般的なシリコン系から選ぶのが無難とされています。液体金属系は性能が高いとされる一方、こぼれると周辺パーツに影響するリスクがあるため、慣れていない場合は避けたほうが安心です。塗る量も「米粒〜豆粒程度」が目安としてよく紹介され、塗りすぎはかえって逆効果になり得る点に注意します。
グリス塗布済みで導入しやすいCPUクーラー
「グリス単体の塗り替えはハードルが高い」という場合、クーラーごと新しくするのも一つの方法です。市販のCPUクーラーは購入時点でグリスが塗布済み、または同梱されていることが多いため、グリスを別途用意せずに冷却を一新しやすいのがメリットです。ここでは、評判の安定したモデルを3つ紹介します。
▶ あわせて読みたい:ゲーミングPCのファン・冷却おすすめ10選|空冷・水冷タイプ別
SCYTHE 虎徹 MARK4(サイズ)
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長年にわたり定番として支持されてきたサイドフロー型の空冷クーラーのシリーズです。コストと冷却性能のバランスがよいと評判で、初めてクーラーを交換する人にも選ばれやすい一台とされています。グリスが付属するため、購入後すぐに取り付けに進みやすい点も扱いやすさにつながります。
主要スペック
| 方式 | 空冷(サイドフロー) |
| ファン | 12cm |
| グリス | 付属 |
| タイプ | 定番コスパ |
Web上では「価格のわりにしっかり冷える」「定番だから安心して選べる」といった声が見られます(傾向の要約)。
CoolerMaster Hyper 212 Spectrum(クーラーマスター)
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世界的に定番とされるHyper 212シリーズのARGB対応モデルです。ライティングでゲーミングPCの見栄えを意識したい人に向くとされ、空冷クーラーの入門〜中級として広く紹介されています。こちらもグリスが付属し、交換しやすい構成です。
主要スペック
| 方式 | 空冷(サイドフロー) |
| ファン | 12cm ARGB |
| グリス | 付属 |
| タイプ | 定番ARGB |
Web上では「定番で扱いやすい」「光って見た目が良い」といった声が見られます(傾向の要約)。
NZXT Kraken Core 240 RGB(エヌゼットエックスティー)
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空冷ではなく240mmラジエーターの簡易水冷(AIO)を選びたい人向けの定番ブランドモデルです。発熱の大きい構成や見た目を重視するゲーミングPCで選ばれやすく、こちらもグリス塗布済みで導入しやすいとされています。空冷より取り付けスペースの確認が重要になります。
主要スペック
| 方式 | 簡易水冷(AIO) |
| ラジエーター | 240mm |
| グリス | 塗布済み |
| タイプ | ブランド定番AIO |
Web上では「ブランドの安心感がある」「見た目が良く組み込みやすい」といった声が見られます(傾向の要約)。
よくある質問(FAQ)
Q. ゲーミングPCを買ったら最初にグリスを塗る必要がありますか?
A. 多くのBTO完成品やCPUクーラーは購入時点でグリスが塗布済みとされているため、通常は最初から自分で塗る必要はありません。グリスを意識するのは、主に数年使った後の塗り替えやクーラーを外したときです。
Q. グリスを塗り替えれば必ず温度は下がりますか?
A. 必ずではありません。温度上昇はホコリ詰まりやエアフロー不足など複数の要因が絡みます。まず清掃や設置の見直しを行い、それでも改善しない場合の選択肢としてグリスの塗り替えを検討するのが現実的です。
Q. 液体金属グリスは初心者でも使えますか?
A. 高い熱伝導をうたう一方で導電性があり扱いが難しいとされ、こぼれると周辺パーツに影響するリスクがあります。初めての場合は導電性のない一般的なシリコン系から選ぶほうが無難とされています。
Q. クーラーを買い替えればグリスは不要ですか?
A. 市販のCPUクーラーはグリスが付属または塗布済みのことが多いため、別途グリスを用意せずに交換できるケースが一般的です。クーラーごと新しくすることで冷却を一新しやすい点はメリットといえます。
まとめ
- グリスはCPUとクーラーのすき間を埋め、熱を伝えやすくする素材
- 経年で乾燥・硬化すると冷却効率が落ち、温度上昇の一因になり得る
- 温度上昇=即グリス劣化ではない。まず清掃・エアフローを確認する
- 塗り替えは数年に一度+温度変化を目安に。BTOは保証条件に注意
- 初めてなら導電性のない一般的なシリコン系が扱いやすい
- クーラーごと交換すればグリス付属で導入しやすい
ゲーミングPCのグリスは、普段は見えないながらも安定した冷却を支える重要な役割を持っています。温度が気になり始めたら、まずは清掃やエアフローの確認から。そのうえで塗り替えやクーラーの交換を検討すると、無理なく冷却環境を整えやすくなります。
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